他の家庭はどうしてる?思春期の子と作るデジタルルールの具体例と項目
はじめに:わが家のデジタルルール、何から決めれば良いのでしょう?
思春期のお子様がいらっしゃるご家庭では、スマートフォンの利用時間やゲーム、SNSといったデジタルデバイスとの向き合い方に、漠然とした不安をお感じになることも少なくないかと存じます。子供との関係を損なうことなく、反発を招かずにデジタルルールを決めたい、でも具体的に何から話し合えば良いのか分からない、とお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
インターネット上には様々な情報がありますが、「結局、他の家庭ではどんなルールを実際に決めているのだろうか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、思春期のお子様を持つ他のご家庭で実際に話し合われ、取り入れられているデジタルルールの具体的な項目例をご紹介します。他の家庭の例を参考にすることで、わが家で話し合うべきポイントが見えてくることがあります。完璧なルールを目指すのではなく、「わが家ならここから話し合えそう」という一歩を踏み出すためのヒントとして、ぜひご活用ください。
なぜ、他の家庭のルール例が参考になるのか
デジタルデバイスの進化は速く、私たちの生活に浸透しているため、全ての家庭に共通する「これが正解」というデジタルルールは存在しません。家庭環境、お子様の性格や年齢、利用状況によって最適なルールは異なります。
しかし、他の家庭がどのような項目について話し合い、どのようなルールを決めているのかを知ることは、わが家にとって必要なルール項目を洗い出す上で非常に役立ちます。全くゼロから考えるよりも、具体的な項目例を見ることで、「これはわが家でも考えた方が良いかもしれない」「これは今のところ必要ないだろう」と判断しやすくなります。
他の家庭の例はあくまで参考であり、それをそのままコピーする必要はありません。大切なのは、それらをたたき台として、ご家族自身が納得できるわが家ならではのルールを、お子様と一緒に作り上げていくプロセスです。
思春期の子と考える、具体的なデジタルルール項目例
それでは、他のご家庭でよく話し合われているデジタルルールの項目例をカテゴリ別に見ていきましょう。これらの項目全てについてルールを決める必要はありません。まずは気になる項目や、わが家の課題だと感じている項目から優先的に話し合ってみることをお勧めします。
1. 利用時間に関する項目
デジタル利用時間に関するルールは、多くのご家庭で最初に検討される項目の一つです。
- 一日の合計利用時間の上限: 平日と休日で分けて設定する家庭が多いようです。
- 利用を終える時間(終了時刻): 特に夜間の利用について、就寝時間との関連で設定されます。
- 特定の時間帯の利用制限: 食事中、家族団らんの時間、就寝前など、特定の時間は利用しないといったルールです。
- 利用時間の記録方法: お子様自身が利用時間を記録・管理する方法について話し合う家庭もあります(例: スマートフォンのスクリーンタイム機能の活用など)。
2. 利用場所に関する項目
どこでデジタルデバイスを利用するかを決めることで、家族の時間を確保したり、利用状況を把握しやすくしたりします。
- 利用しても良い場所: リビングなど、家族の目が届く場所のみとする家庭。
- 利用してはいけない場所: 子供部屋に持ち込まない、寝室に持ち込まない、トイレやお風呂場に持ち込まないなど。
- 充電場所: 家族共有の場所(リビングなど)に充電ステーションを設けるルール。
3. 利用内容・活動に関する項目
時間や場所だけでなく、具体的にどのような活動を行うかについてもルールを検討します。
- 利用できるアプリ/サービス: 親子が合意した範囲のアプリやサービスのみ利用可とする。
- 課金について: ゲームやアプリ内課金の上限額や、課金前の相談を必須とするルール。
- 個人情報の扱い: 安易に個人情報(氏名、住所、学校名、顔写真など)を公開しない、知らない相手には教えないといった基本的な約束。
- SNSの利用方法: 非公開設定の推奨、誹謗中傷をしない・関わらないといったマナーやリスクに関する話し合い。
- ゲームの対象年齢: CEROレーティングなどを参考にする約束。
- 動画視聴の制限: 特定のチャンネルの制限や、夜間の大音量視聴の禁止など。
- フィルタリングやペアレンタルコントロール: これらのツールの利用の有無や設定内容について、親子で話し合い、合意の上で導入する家庭もあります。
4. 利用以外の習慣に関する項目
デジタルデバイスの利用そのものではなく、それに付随する習慣やオフライン時間に関するルールです。
- 食事中の利用: 食事中はスマートフォンを触らない、テーブルの上に置かないといったルール。
- 宿題・勉強中の利用: 勉強中はデジタルデバイスを別の部屋に置く、通知をオフにするなど。
- オフライン時間の確保: 家族で過ごす時間や、趣味、運動といったデジタルデバイスを使わない時間を意識的に作る約束。
- バッテリー管理: 夜間は充電器につないで寝室に持ち込まないなど、利用終了後の習慣。
- 新しいアプリのインストール: インストール前に家族に相談するといったルール。
ルール項目を決める際の思春期の子との話し合いのコツ
これらの項目例を参考に、実際に話し合いを進める際には、以下の点を意識すると反発を招きにくく、建設的な対話につながりやすくなります。
- 一方的に押し付けない: 親が一方的にルールを決めるのではなく、「一緒に」考える姿勢を示すことが重要です。
- 「なぜ」を共有する: なぜこのルールが必要なのか、その背景にあるリスクや、家族の安心、お子様の健やかな成長といった「目的」を丁寧に伝え、共有します。
- お子様の意見を聞く: お子様がどのようにデジタルを使いたいのか、どんな不安があるのか、お子様の意見や理由をしっかりと聞く時間を作ります。頭ごなしに否定せず、まずは受け止める姿勢が大切です。
- 代替案を一緒に考える: 一つのルール案に対してお子様が難色を示す場合、「それなら、こういう方法はどうかな?」と一緒に代替案を考えてみます。
- 完璧を目指さない: 初めから全てを完璧に決めようとせず、まずは最も懸念している項目や、お子様も納得しやすい項目から話し合ってみましょう。ルールは一度決めたら終わりではなく、成長に合わせて見直していくものです。
- 親もルールを守る姿勢を示す: 親自身がデジタルデバイスの使い方について見本となるような行動を示すことも、お子様の納得感につながります。
まとめ:わが家にとって「無理なく続けられる」ルールを見つけよう
この記事では、思春期のお子様がいるご家庭で話し合われることが多いデジタルルールの具体的な項目例をご紹介しました。
時間、場所、内容、利用以外の習慣など、様々な観点からルールを考えることができますが、他の家庭の例はあくまで参考です。大切なのは、これらの項目を参考にしながら、ご家族で話し合い、「わが家にとって、無理なく続けられるのはどんなルールだろうか?」と考えていくプロセスそのものです。
思春期のお子様とのルール作りは、対立を恐れることもあるかもしれませんが、お子様の意見を尊重し、共に解決策を探ることで、親子の信頼関係を深める機会にもなり得ます。まずは、この記事で紹介した項目の中から一つでも気になるものを選び、「これについて少し話し合ってみない?」と、お子様に声をかけてみることから始めてみてはいかがでしょうか。一歩ずつ、わが家にとって心地よいデジタルとの付き合い方を見つけていきましょう。